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結論編

ユイ: 早速ですが、結論だけ教えてください!資産運用、何をすればいいんですか?

ハヤト: 結論はこれだけです。

  1. 確定拠出年金 (iDeCo または 企業型 DC)を始めます。
  2. 新 NISA でつみたての設定をします。
  3. さらに余裕がある方は、特定口座でつみたての設定をします。
  4. 資産運用を始めた直後や、まとまった資金を一時的に入手したときなど、十分な余剰資金(現金)をもっているのであれば、自分のリスク許容度の範囲内で、適切な割合の資産を 一括 で投資します。
  5. 定期的に(年に 1 回、あるいは数年に 1 回)、アセットアロケーションについて見直しましょう。

ユイ: これだけ...?具体的に何を買えばいいんですか?

ハヤト: 買うものは、次の条件を満たすものが良いです。

  • コスト(信託報酬)の安い
  • 時価総額加重平均を採用したインデックスファンド (S&P500、全米、全世界など)

具体的には、

  • eMAXIS Slim 全世界株式 (オール・カントリー)(通称: オルカン)
  • eMAXIS Slim 米国株式 (S&P500)
  • SBI・V・S&P500 インデックスファンド

などです。これらはネット証券 (SBI 証券、楽天証券など)で購入します。

ユイ: 新NISAは、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」があるけど、別のものを買う必要はないんですね?

ハヤト: はい、その名前に惑わされず、この記事では両者を区別しません。単に年間の上限枠が 360 万円である非課税枠として扱います。

ユイ: なるほど。逆に、してはいけないことはありますか?

ハヤト: 資産運用で大事なのは「余計なことをしない」ことです。例えば、

  • 「マーケットタイミング」を計る
    • 例: 「今は株価が高値だから、現金をためておこう。暴落したら一挙に購入しよう」
    • 「暴落の噂があるからいまのうちに売却して利益確定しておこう」
  • 時価総額加重平均インデックスではないファンドや個別株を購入する
    • 例: XXX 社の株を買う。「AI 関連ファンド」等を購入する。高配当株を購入する。

これらはすべて投資効率を下げる行為です。

ユイ: 1年に30分以上資産運用に時間を使っていたり、年に1回以上最初の方針にはなかった「投資判断」を行っていたら、何かが間違っている証拠、ですね。

ハヤト: その通りです!

ユイ: iDeCo、新NISA、特定口座、どれを優先すればいいですか?

ハヤト: お得度を「雑」に表現すると、

お得度
1. iDeCo 140
2. 新 NISA 120 (上限: 毎年 360 万円, 合計 1,800 万円)
3. 特定口座 100

です。ただし、iDeCoは60歳(or 65歳)まで引き出せない制限があります。

ユイ: なるほど、お得度の高いものから使い切るようにするんですね。資産のうち、どれだけをリスク資産に回せばいいんでしょうか?

ハヤト: アセットアロケーションは、

  1. 投資効率のもっともよいリスク資産を選択する(インデックスファンド1択)。
  2. 個人のリスク許容度に応じて、現金とリスク資産の割合を決定する。

で決めます。

ユイ: リスク許容度に応じたアセットアロケーションの目安はありますか?

ハヤト: 例えば、資産の合計が1,000万円だとした場合、

リスク許容度 現金:リスク資産 現金 リスク資産 全体のリターン 全体のリスク
資産が 50%減る (= 500 万円になる) ことを許容できる 0:100 0 万円 1,000 万円 5% 10%
資産が 25%減る (= 750 万円になる) ことを許容できる 50:50 500 万円 500 万円 2.5% 5%
資産が 10%減る (= 900 万円になる) ことを許容できる 80:20 800 万円 200 万円 1% 2%
1 円たりとも損するのは絶対に許せない 100:0 1,000 万円 0 万円 (ほぼ) 0% 0%

のようなイメージです。

ユイ: なるほど、このスライダーのバーを調整するんですね!

現金  リスク資産

ハヤト: そうです!つみたても、このスライダーのバーが時間の経過とともにずれていくのを防ぐためのものと考えればよいでしょう。

ユイ: 具体的な資産運用の実践例はありますか?

ハヤト: 3つの例を紹介しましょう。

ハヤト: Aさんの場合。社会人8年目、資産400万円。

  • アセットアロケーション: 現金:リスク資産 = 50:50
  • 200万円を新NISAで一括投資。
  • iDeCo: 月23,000円。
  • 新NISA: 月57,000円つみたて。

ハヤト: Bさんの場合。社会人2年目、資産100万円。

  • アセットアロケーション: 現金:リスク資産 = 0:100 (フルインベストメント)
  • ほぼ全てを新NISAで一括投資。
  • iDeCo: 月23,000円。
  • 新NISA: 月27,000円つみたて。

ハヤト: Cさんの場合。リタイア済み、資産1500万円。

  • 新NISA: 月30万円つみたて (年間枠使い切り)。
  • 来年の新NISA枠で投資予定の約400万円は、それまで特定口座で運用。

ユイ: なるほど、いろんなケースがあるんですね。本当にこれだけでいいんですか?

ハヤト: はい、基本的には放ったらかしで大丈夫です。定期的にアセットアロケーションを見直すだけでOKです。

ユイ: わかりました!これで結論編は終わりですね。